宮澤淳一著 『グレン・グールド論』 春秋社,2004年12月 |
「メディア論」,「演奏論」,「アイデンティティ論」の3章構成で,グールドのものの考え方について,知り得たことに基づいて,まとめてみました. 「メディア論」はその変遷を時間軸に従って追っていったこと,「演奏論」は《ゴルトベルク変奏曲》に絞ったこと,「アイデンティティ論」はカナダ・カナダ人の地理的・文化的背景を整理することでグールドの位置づけを考えたこと,そしてそれらを束ねてみたことが,これまでにない試みでしょう. また,グールドが「孤独」だったのかどうか,「孤高の芸術家」だったのどうか,といったことを議論から捨象しているのも,特徴的かもしれません.また,レトリックに拘泥するのを避けるために,音楽用語に基づく比喩表現(「〜の通奏低音をなす」「対位法的な〜」など)も使いませんでした. グールドに関心のある方が,ひとつでも新しいことや,合点のいくことを見つけていただければ嬉しく存じます. また,本書は多くの方のご教示とご支援によってまとめることができました.皆々様に改めて感謝申し上げます. ‐‐‐‐宮 澤 淳 一 (2005年3月)‐‐
春秋社のサイトの本書の紹介ページ (拡大写真があります) 書評(ネットで読める新聞の書評):
英文による梗概 (synopsis in English) ロン・デイヴィスの校閲を受けました.感謝します. ‐(2005年 3月)‐‐‐
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